メキメキと実力を伸ばしている若手のホープ神と敗北を知りたい村野の一戦。
居飛車で一直線穴熊を目指す神に対して、村野は居玉のまま藤井システムを組む。
中盤早々、村野は4四歩の仕掛けから角交換に持っていき3三の地点を攻めて王手飛車取りが決まり勝負あり。
神は何とか攻めの糸口を掴もうとするも、村野の玉頭を睨む攻めとこびんを睨む角、下段からの二枚飛車の猛攻を受けて何も出来ず詰まれる。
以下、投了図
神の「泣きのもう一戦」が入り、連戦開始。
神は一戦目の反省を活かし、打って変わって左美濃急戦で攻め、村野は石田流本組で迎え撃つ。
神の攻めを村野はうまく捌き中盤に差し掛かる頃には村野やや優勢と思われたが、神は飛車を犠牲に手薄の5七の地点に馬を作り、早い攻めで相手玉のこびんを狙って厚みを作っていき形勢は互角から逆転へ変わる。
終盤、村野は二枚飛車で攻めようとするも「岩より硬い」金底の歩に阻まれ、一方で神は相手の薄い片美濃に数の暴力で攻め続ける。
村野の受け間違いから叩き合いを挑もうとするも読み切った神は冷静に相手にせず、攻めが細く遠い村野と厚みを切らさずこびんを攻め続ける神の勝勢の差は縮まらずに受けきれなくなった村野がついに投了。
以下、投了図
村野、数年ぶりについに敗北を知る。